Thorn Brewing は 2012 年、サンディエゴでもクラフトビールファンに人気の地区ノースパーク(North Park)で創業を始めた。創業時の名称は、醸造所のある通り名にちなんでThorn Street Brewery。その後 2017 年に、ヒスパニックコミュニティの中心地、バリオローガン(Barrio Logan)にあらたに醸造所とタップルームを開設し、ブリュワリー名をThorn Brewing Company とした。2019 年 7 月にはミッションヒルズ(Mission Hills)にテ イスティングルームをオープンし、クラフトビールの聖地サンディエゴで急成長を見せている。
創業者は、幼馴染でともに自家醸造をしていたエリック・オコーナーとダン・カリコ、そして二人の情熱に共感し、創業時ちょうどブリュワリーの免許を取得しようとしていたデニス・オコーナーの 3 人。彼らが共有する理念は、地元に密着した醸造所であること、クオリティの高いビールをつくること、さらに理念に縛られ過ぎないこと。しっかりとした主体性とクリエイティブな自由さがあり、そのため地元への貢献度も高くコミュニティーに愛されている。
ビール造りに使う原材料にもこだわりがみえる。新鮮で不純物のない原料のみを使い、人工的な添加物は一切使用しない。1516 年にドイツで制定されたビール純粋令(Reinheitsgebot)は「ビールは、麦芽・ホップ・水・酵母のみを原料とする」と定めた。この 500 年前の法律に従う気はさすがにないというが、ピュアでナチュラルな原材料に限った生産を課すスピリットは尊重しているという。ビールに使うハチミツやバニラ、オレンジピール、コリアンダー、コーヒー、唐辛子、チョコレートのクオリティは非常に高い。地元サンディエゴへの公約として、独自の「ビール純粋令」を自らに課しているようだ。
しっかりとした理念にイージーゴーイングなスピリットで進化を続ける注目のブリュワリーである。

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