1995 年創業、 アメリカ北西部はオレゴン州 ・ パシフィックシティーの風光明媚なキワンダ岬州立自然地区のすぐそばにある海岸沿いに位置するブリュワリー。 創業者の Jeff Schons と Mary Jones が購入した古いレンガ造りの建物から始まった。 彼らが休日に朝食のコーヒー片手に思いついたのは、 海岸沿いにマイクロブリュワリーをオープンするというアイデアであった。 とはいえ、当時の彼らには醸造に関する知識など全くなかったため、 ポートランドで開催された Craft Brewers Conference に参加する事に決めた。 大胆にも彼らは CBC の会場でブリュワリーのブリュワーをスカウトしようと企み、ヒッチハイカーよろしく手書きでノートサイズの紙になぐり書きの様に書いたものを掲示した。 これが偶然にも Darron Welch という一人の男の目を引いた。
後にブリューマスターとなる男である。 彼は Jeff と Mary にその熱意を何度か電話で伝えた後、 フィアンセと共にパシフィックシティーに移住してしまう。 そこで彼はブリュワリーに加わり、 最初のテストバッチを、 まだ建設中のブリュワリーのすぐそばにあった小さなガレージで始めた。 1996 年 4 月、 ブリュワリーがオープン。 オープンするや否や、瞬く間に人気ブリューパブとなり、海岸沿いという絶好のロケーションという事もあり結婚式場としても人気を博していった。
彼らの作るビールの評判は地元だけに留まらず、 1998 年の Great American Beer Festival で Doryman’ s Ale がアワードを獲得したのを皮切りに、その後 14 年以上にわたり世界中の名だたる品評会で受賞を重ねていく。 こうして名実ともにパシフィックノースウェストを代表するブリューパブとなったPelican は、 2013 年に約 37km 北にあるティラムックに新たなブリューパブをオープンした。 この新しいブリューパブのテーブルからはパシフィックシティーの美しい海辺の景色の代わりに、 ブリュワリーの醸造設備が一望出来、 ビールが醸造されている風景を見ながら寛ぐ事が出来るといった趣となっている。
そして新たな CEO として Jim Prinzing を迎え、 ブリュワリーもそれまでの年間 468kL の醸造量から一気に倍以上の年間最大 1,170kL もの醸造能力を持つ事となった。 また、 この拡張によってこれまで 650ml ボトルでの流通だった Kiwanda Cream Ale と Silverspot IPA が 355ml ボトルでの流通も開始され、 更に時を同じくして会員制のビール直送サービスも開始した。
World Beer Cup で 3 回、 Great American Beer Festival で 4 回ブリュワリーチャンピオンの栄誉に輝いただけで無く、 世界各地の名だたるアワードにて賞を獲得してきたトップクラスの品質を誇るブリュワリーが、 数多くの受賞を誇る看板商品 6 種類とともに、 ついに日本初来日。
ちなみに余談ではあるが、 ブリュワリーのマスコットであるペリカンは 「ペリカンのフィルさん」 という名前がついている。